第2章 凱旋
いつの間にか顔を上げていたらしい及川(ヒデェ顔)が俺の顔を近距離から凝視していた。
「やっべ…悠の笑顔、相変わらず殺人級///」
「あ?意味わかんねーぞ。…つか何赤くなってんだ。そろそろ離せ。熱い。」
及川を半ば無理やり剥がすと、俺は担任を見た。
俺の視線に気づいた担任は、ハッとした様子で座席を指差す。
「ごほん、えっと…銀鏡、お前の席はあそこだ。岩泉の隣。」
「おっ了解っす。」
座席で軽く手を上げている岩泉に頷いてみせ、なおも俺の横から離れようとしないあほがw…及川を引きずりながら指示された場所へと向かう。
途中、及川を自分の席へと落としていくと、ひどい!、と不満の声が上がった気がしたが
たぶん気のせいだと思う。
改めて岩泉の方に顔を向けると、岩泉も俺を見ていたようで目が合った。
同時にニカっと笑う。
「…おかえり。悠。」
「…!…おう。一、またよろしくな。」
こうして幕を開けた青葉城西での俺の生活。
こいつらが、この学校だったってのは知ってたけど、
まさか同じクラスになると思ってなかったからビビッたわ。
岩泉とは一昨日まで連絡取ってたけど、行って驚かしてやろうと思ってたから、秘密にしてたしね。
形はどうあれ、奇襲成功。…なんてね。
____make a surprise attack.