第2章 凱旋
教師に呼ばれ、教室に入ると女子の黄色い声が轟いていた。
うーん…
歓迎?されるのは嬉しいけど、俺アイドルとかじゃないんスけど…
正直、この手のことには慣れているが、
慣れとうるさいのは別の話。
正直、耳が痛いっす…;
んなこと考えてたら、何かの倒れる音がして、
「………………悠?」
名前を呼ばれて、呼んだであろう人物を見ると、自分のよく知ってる顔で。
「え………徹?」
自分に気づいたことが嬉しかったのか、及川は、パァァァァァっと顔を緩ませると凄い勢いでこちらに走ってきた。
「へ?!ちょ、徹っ!?」
がばっと抱きつかれた時には既に遅し。
涙をぼろぼろ流しながら頭を首元に擦り付けてくる始末。
「うわぁあああん!!悠~!悠~!!!!あ”いだがっだよぉ~~~!!」
鼻水まで垂らしてるよ、こいつ。
イケメンなのに残念すぎんな、これ。女子ひいてるしね。
「おーい、落ち着け、徹。とりあえず、続きは後にしてくれ。頼むから。」
「悠~~~~!!!!」
聞こえてないのか変わらない現状を放っておくことにした俺は、
徹の背中をポンポンと撫でながら、自己紹介をすることにした。
……つか、こいつのせいで俺の印象、どうなるんだ…
女子の何人かは俺と及川見て目輝かせてるし、どーなってんの。ちょっと不安。
「えーと。何か騒がしくてすんません。こいつの幼馴染の銀鏡悠です。一昨日までNYにいましたが、親の都合で帰国しました。どうぞ、よろしくお願いします。」
頭を少し下げると、聞こえてきた拍手。
見渡すと、笑顔の生徒達。
少しホッとし胸を撫で下ろしていると、ふと視線を感じた。
視線の先にいたのは
「一(はじめ)…?」
抱きついてるこいつと同じ、俺の幼馴染である岩泉一の姿。
「おー!転校生がお前って、すげービビッたぜ。」
ニィっと笑う岩泉の笑顔。かわんねーな。
俺も岩泉に笑顔を返すと、教室内に悲鳴があがった。
______Nostalgic face