第5章 好敵手
シャワーと身支度を済ませ、朝食の準備がほとんど終わった頃、寝癖を拵えた及川が眠気眼で起きてきた。
「おはよー……悠…ふぁあ。」
気だるげにあくびをしている姿は、キラキラの欠片もなく、思わず吹き出した俺。
「ブッアハハっ!お前、寝起きヒデェなー。お前のファンの子達にも見せてあげてーくらい。」
「わかってないなぁ~悠は。普段と違って、だらっとした姿がギャップになるんでしょ?そんなのも分かんないなんて以外と悠ってお子ちゃまなんだね♪」
フフンとムカツク笑みで俺を見ていた。
あ、忘れてた。
起きたらこいつのこと殴るんだった☆
「よーし!徹~歯ぁ食いしばれぇ~♪」
「っなっ___いぎゃっ!!」
朝から疲れてしまった俺は、登校中も隣で楽しげに騒ぐ及川を適当にあしらいつつ歩いていた。
「はよー。悠。朝から大変だな。」
後ろから聞こえた声に振り向くと、岩泉の姿。
「はよ。一。……もうぐったり「ちょ!岩ちゃんっ!俺のこと無視しないでよ!」………はぁ。」
隣でぎゃあぎゃあと岩泉に抗議する及川。
うるせーっつの。
もうお腹一杯ですから。俺。
「あ?いたのか。気づかなかった。」
「ひでぇっ岩ちゃんっ!こんなにイケメンの及川さんを__「きゃーっ及川先輩おはようございまぁす♡」……おはよ。今日も元気だね?」
瞬時にイケメンモードに切り替わる及川に、岩泉の表情がみるみる鬼の形相へと変化していく。
うっわ、今日も迫力満点☆←
にっげろー!
すっと距離を開ける俺。
しかし、及川たちから距離を取ったことですっかり油断していた俺に迫り来る沢山の影。
____Every morning conventions.