第4章 理由
ま、あの話の通じない宇宙人←は放っておいて、夕食作りに取りかかることにした。
昔から親の帰りが遅いことが多かった俺はそれなりに料理は作れるようになった。
帰国して独り暮らしを始めた俺としては、作れる自分を褒めてあげたいぐらいだ。
それに、今は体作りのためにも栄養バランスを考えたメニューを心がけるようになり、それに伴い料理の腕も上がってきたのも事実である。
…………俺の体のために、美味しいご飯を作ろう。
間違えてはいけない。
あくまで、俺のため、だ。
料理も中盤に差し掛かったとき、こっそりとキッチンを覗く人影が目に入るが、俺は完全スルーを決め込んだ。
すると、遠慮がちに抱きついてくる及川。
相手にするのも面倒臭くて放っておくと、グスン、と鼻を啜る音が聞こえてきた。
「……悠………怒ってる?………調子にのってゴメンナサイ。…………俺のこと嫌いにならないで……… 悠。」
珍しくしおらしい及川に少し驚く俺。
なんか・・・こいつが素直だと怖ぇ・・・
雨どころか惑星とか降ってくんじゃねえ?
及川によるアル○ゲドンの襲来だな。宇宙人だし←
「・・・何言ってんだ、オメェは。この俺様が、そんなに小さな器の男だと・・・?」
やや上から見下ろして笑ってやると、目を見開く及川。
ほらほら、またアホ面になってんぞー。徹くんよ。
何か見慣れてきちゃったかも・・・その顔。
「・・・思って・・・ない。・・・・・・思ってない!!」
その目は未だ涙が存在感を残しキラキラと輝いていた。
思わず、綺麗だな、なんて思ってしまった残念な俺。
・・・・・・マジ、自己嫌悪・・・半端ないっす・・・凹
「・・・なら良し。ほら、飯にすんぞ!」
「は~~~い!!」
___Let's eat!