第4章 理由
「・・・つか、代表の主将だったんだな・・・お前。」
え?そんな驚くことだった?
だって、監督からのご指名だったんだもん。
しょうがないでしょ。
「え、だめだった?」
「いや、ダメとかそーゆうんじゃなくて・・・改めて凄ぇなって思ってよ。元々すげぇ巧いヤツだったけど、帰ってきたと思ったら“帝王”になってっしよ。」
はあ、とため息をつく岩泉。
それって、褒めてんの?貶してんの?どっちなんだい。
・・・ってか、及川はさっきからギラギラした目で睨んできてるし。
何なのあの子。いつもに増して変ですよ?
やっぱこうゆう時はスルーだよね。うん。
触らぬ神に祟りなしっていうしね。Don't touch!
「悠~~~~~!!!!お前本っっ当にむかつく!」
・・・え?
俺、判断ミスしちゃった?
及川がすげぇ顔して近づいてくんだけど・・・!?
ちょ、及川さんっ!?その顔、完全アウトですけど!?
「え、何?どしたの?お前__『バッカ悠~~~~!!!今晩、覚悟しておけよ~~~!!』__は!?」
・・・・・え、
何、覚悟って・・・
何か嫌な予感しかしないんだけど?
やだやだやだやだ・・・
しかも、また抱きついてるし・・・
意味わかんなすぎて、宇宙人に出会っちゃった気分だよ。
____まさに”未知との遭遇”
・・・早く迎えに来てくんないかな。こいつの仲間。
「・・・わかった。俺も後で、お前のこと、精一杯シメるわ。任せろ。」
満面の笑みでその顔を拝んでやると、みるみるそのイケメン顔が青く白く染まっていく。
わぁ!カッコイイ徹くんの顔色がどんどん変わっていくよ?面白ーい☆
「・・・す、すみましぇん・・・」
「・・・はっ!わかりゃーいいんだ。アホ川くん。」
そう言いながら俺は岩泉の肩に腕を乗せ歩いていく。
後ろからは、未だに青白い顔で震えている及川。
・・・ざまぁみろ。バーカ。
____I not you known.