第4章 理由
どうして岩ちゃんにだけ連絡とってたの?
どうして俺には返してくれなかったの?
その電話の相手とは連絡取ってたのか?
どうして、
どうして、
”俺”じゃないんだ。
「分かった分かった!次はすぐ連絡するからさ。怒んなよ。・・・うん。日曜ね。あ?うち?良いけど・・・そんなんでいいの?・・・あ、そ。じゃ、切るよ。え?あーはいはい。じゃ。」
携帯を片手に深いため息をつく悠。
俺はその姿を冷ややかな目で見つめる。
そんな俺の視線に気づいた悠は、困ったような笑顔を見せる。
なんだそれ。
意味わかんねぇ・・・
「・・・何かモメてたけど、大丈夫だったんか?」
岩ちゃんの呑気な声に苛立ちが増していく。
「あ――・・・うん。大丈夫。これは、俺が悪いからね。あはは・・・」
「____彼女怒らせちゃったんだ?ダメダメじゃん。」
俺の口から出たのはこんな稚拙な言葉で。
・・・嫉妬、丸出しじゃん。こんなん。ダサすぎ。
別にいいんだよ。彼女がいようがいまいが。
ただ、それを俺が”知らない”っていうのが堪らなく嫌だ。
ほらほら、悠もイライラした顔つきになってきちゃったよ?
もう、・・・・・・最悪。
「あ?何言ってんだ?彼女じゃねぇよ。若だっつの!牛島若利っ!」
__________!?
「はぁ!?ウシワカからの電話だったのかよ!?」
隣で大声を出して驚く岩ちゃん。
___To tell you that I do not know.