第4章 理由
「・・・・・・。」
撃沈した及川の肩に腕を乗せながら、岩泉と今日の練習について話していた。
「正直、昔より2人が格段と巧くなってて嬉しかったよ。俺。」
「そりゃそーだろーよ。つか、お前が知ってる俺らって中1までだろ?そこと比べられてもよ。」
「あははっそうだけどさ。同じ時間は共にしてなかったけど、俺は俺で、お前らはお前らでちゃんと前に進んでたっつーのがさ、嬉しかったんだよ。・・・んで、またこうして一緒のチームになれるなんて、最高じゃねぇか。・・一はそう思わねぇ?」
ニッと笑って岩泉を見ると、俯きながらフッと笑う岩泉。
「・・・ああ、同感だ。」
何となく恥ずかしくなった俺は、バンバンと岩泉の背中を叩く。
すぐにお怒りモードの岩泉が凄んできて、それすら楽しくて。
・・・ああ、帰ってきたんだな、って
心がジンと熱くなった。
「そうだ、悠。・・・今日から、うちのエースはお前だ。」
真剣な顔つきのまま、真っ直ぐに俺を見つめてくる岩泉。
俺は、ふぅ、と長く息を吐き、その目を見つめ返す。
「・・・わかった。・・・ただし、条件つけていい?」
怪訝そうな顔でピクリと眉を動かす岩泉。
「・・・条件?」
「・・・そ。誤解されたくないから先に言っておくけど、俺は別にお前のエースの座を奪いに来たわけじゃねえ。俺は・・・お前らと、チームになりたくて帰ってきたんだ。俺がエースになることでこのチームが勝てるってことなら喜んでエースになる。だけど、お前を引きずり降ろすつもりもねぇ。・・・だから、俺がエースになる条件は、一・・・お前と”ダブルエース”になることだ。」
強い意志を視線に乗せて
なあ、お前になら届くだろう?
俺の想い___
_____Shall be hot the chest.