第4章 理由
少し辺りが暗くなる中、練習を終えた俺たち3人は帰路についていた。
そして、今目の前では、懇々と説教をする岩泉と、それを受けヘラヘラとムカつく笑顔を見せる及川。
「ったく!オメ―の頭ん中はどうなってやがんだ!?曲がりなりにも主将であるお前がそんなんでどうすんだ!!示しがつかねぇだろうがっ!!」
烈火の如く怒る岩泉・・・おお怖い。迫力半端ねえ・・・
火の粉を浴びる前に避難、避難。
そっと距離を開ける俺。
すると、あろうことかそんな俺に抱きついてくるアホが一人。
「だってぇ!5年ぶりだよ!?5年ぶりに会った大好きな悠が目の前にいるんだよ!?抑えろって方が無理じゃない~~!?」
げっ!!!!
このアホ川によりあっけなく壊された俺の安全地帯。
気がつけば戦場へと引きずり出されてしまった可哀そうな俺。
「はぁ!?お前は犬以下か!!”待て”すら出来ないならもう人間名乗んのやめろ!」
おぉ・・・!さすが岩泉、冴えてんな。
「やだやだ!離れてた5年分を今からこうやって埋めていくんだから――!!ね?悠「そうだな。まずは、この道路の下に埋まってみようか?」えっ、意味ちが「5年間、埋まりたいんだろ?」___なっ、その笑顔怖いからっ!わっちょ、ギブギブギブギブ―――っ!!!!!」
抱きついていた及川をひっぺがすと、頭を抱え込みヘッドロックを決める。
ギブアップのつもりか俺の背中をバンバンと叩く及川。
・・・もう少し絞めるか。
_____Sermon.