第3章 帝王
「………悠…。」
打ち抜かれたスパイクは、及川のブロックする手を弾き飛ばし、上体を後方へと倒れさせた。
「お前も昇ってこいよ。」
「…え?」
「__________俺のいる……頂点へ。」
その目を真っ直ぐに見つめると、及川の顔は一瞬だけ悲しそうな顔を見せたが、
すぐにギラつかせた目で俺にムカつく笑顔を向けてきた。
「くっそぉぉぉおおおお!!!!チョ~~~~~悔しいぃぃぃぃっ!………でも…でも!……すげぇ、・・・嬉しい。」
「・・・・・・で?来んの…?来ないの?」
腕を組み斜め上から見下すように笑顔を向けると、
弾ける様な満面の笑みでネットを潜り、飛びついてきた及川。
「___行く!行く行くっ!行くに決まってんじゃ~~~ん!!!!!」
「っんなっ!?おまっ今、練習中だっつの!」
なおもその髪を擦り付けながらぎゅうぎゅうと抱きしめてくる男を引き剥がそうとするも、それ以上の半端ない力で締め付けてくるアホ川。
うぜぇ・・・もうマジでうぜぇ・・・
本当、このバカの抱きつき癖どーにかなんねぇの?
毎回、毎っ回・・・性懲りも無く、アホの一つ覚えみたいに・・・
決めた。
後で、徹底的にシメる☆
______Ability of the Emperor.