第12章 合同合宿
さっきまでのふざけた雰囲気が嘘のように5人が黙りこむ。
「んでもってチームメイトまで丸投げ状態で、つまんねーのなんのって感じだったんよ。………で、嫌になってた時に一……あ、幼馴染みね?ソイツに呼ばれて今に至るってやつだ。」
周囲の喧騒とは正反対にテーブルは静まりかえった。
するとガタンという派手な音とともに目の前の男が立ち上がった。
「……じゃあ、その悠の幼馴染みってヤツに感謝だな!ソイツがお前を日本に呼んでくれたから今こうして出逢えたんだ!!俺は最高に嬉しいぞ!」
誰もが口を開けない中、その空気をぶち破ったのは木兎だった。
先程までの空気等まるで気にも止めぬ木兎のテンションに唖然とする一同。
「………だな。本当、帰ってきて良かったよ。………木兎の言う通り、お前らにも会えたしな。」
ニィ、と口角を上げ笑って見せると、次々に嬉しい言葉をかけてくれる黒尾たちにジンと胸の辺りが熱くなってしまう。
日本に帰国してからは本当に良い縁に恵まれていると思うよ。
本当、一のおかげだな。
___その後も質問攻めにあったり、下らないことを駄弁ったりしているとあっという間に時間は過ぎて、そろそろ体育館に戻る時間が近づいてきていた。今やすっかり仲良くなった俺たちは今日初めて会ったとは思えぬほど、打ち解けあっている。
「__おい。行くぞ、バカ。」
すると、突如感じた首への圧迫感に驚き、振り向くと呆れ顔の幼馴染みの姿。その隣にはあからさまに拗ねた様子の幼馴染みその2、こと及川の姿があって。
黙り込んだまま俯く及川にその後の展開が面倒くさいものになること間違いないことを予測させた。
「はいはい。……じゃ、お迎えが来たので俺は先に戻るわ。午後もよろしくな、光太郎、鉄朗。大地たち、この後のゲーム楽しみにしてっから。」
__time-consuming.