第12章 合同合宿
「なっ!?えっ!ちょ、何っ!?お前らっ!」
俺の両脇には腕をガッシリと掴んでくる黒尾と木兎の2人がいて。
まさに警察に捕まった犯人のように連行されていく俺に背後から及川らの焦った声が聞こえてくる。
ちらりと後ろを確認すると、飛びかかって来ようとする及川と国見を岩泉がそれぞれ首根っこを掴み抑え込んでいた。
……つか、俺連行されるの多くないか?
何だ、素直には来ないって思われてんのかね。
別に反抗したりしないのにね。……及川の誘い以外は。
「………なぁ、んな引っ張られなくても歩けるんだけど。」
俺の言葉に両側の2人の顔が勢いよく向けられる。
………そしてその表情は揃いも揃って企みのある笑顔。
「まぁまぁ、銀鏡くん。気にしないでいーよ!」
「そーそー!気にしない気にしなーいっ」
………だめだ、こりゃ。
諦め抵抗する力を弱めた俺に満足そうにニコニコと笑顔を見せる黒尾たち。何が楽しいのかよくわからないが、黒尾はともかく木兎とは話してみたかったのは一理あった俺は素直に引かれるがまま足を前へと進めたのだった。
___Sometimes you just have to give up.