第12章 合同合宿
「………やべぇ。」
「………?何がヤバイの?」
ぽつりと吐かれた俺の言葉に及川が反応する。
俺はまっすぐに梟谷サイドを見据えながら、口を開く。
「………久々の試合でテンション上がりまくってんだよ。……だから、加減出来るかわかんねぇ。」
俺の言葉に及川の眼が一瞬見開かれるが、その表情はすぐに悪巧みな笑顔に変わっていく。
「………いいんじゃない?我慢させられてたんだし。………それに」
止められた言葉に不思議に思った俺は及川の方へと顔を向けると、伸びてきた及川の手が、俺の肩へと触れる。
「今日のお前は"スーパーエース"。………暴れてくるのが仕事だよ?」
ニコリと微笑む及川。
………何でかな。
こいつも一も俺の心が読めんのかね。
俺の扱い巧すぎるよ、全く……
いつもながら俺の欲しい言葉を伝えてくれる及川に、同じように企みのある笑顔を返す。
「………だな。じゃ、遠慮なく。………うち(青城)が格上だってこと、教えてやりますかね。」
「そうそう♪悠が揃って、今の"俺たち(青城)"だからね。度肝抜いてやろーじゃないの。」
2人の拳が重なる。
そして、次の瞬間には2人の空気がピリリとした緊張感漂うものへと変わった。
主将同士のジャンケン勝負によりサーブ権を得た青城。エンドラインの先にはボールを床へとバウンドさせる岩泉の姿。
「んじゃ1発目、岩ちゃんっ頼んだよーっ♪」
「おー……任せとけ。」
岩泉が小さく頷き、俺を見つめる。
俺はその視線に口角を上げ、頷きを返す。
___さて、梟谷の面々よ。
楽しませてくれよな………?
___The heart that was connected.