第12章 合同合宿
「………いえ。銀鏡さんは悪くありません。………ただ
、その……お………俺……」
話始めたはいいもののなかなか進まない言葉。
様子のおかしい赤葦によって俺の頭にはハテナマークが飛び交っている。
「……赤「銀鏡さんっ」__っぉお!?」
___突然、ズイと距離を縮めてきた赤葦に、反射的に上半身が後ろへと下がるが、目の前の赤葦はそんなことを気にも止めずに真っ直ぐに俺の目を見つめていて。
「俺の……俺のトスっ打ってもらえませんかっ!?」
赤葦の唐突過ぎるお願いに唖然とする俺。
「……ト、トス?突然どうした……?」
たじろぐ俺へさらに詰め寄ってくる赤葦は心なしか頬が赤いように見える。
「夢なんです……アナタに自分の上げたトスを打ってもらうのが。………中学1年の時、偶然銀鏡さんの出てる試合を観て……そん時からずっと銀鏡さんと同じコートに立つことを夢見てきました。」
「___っ……そうか。」
赤葦の真っ直ぐな思いに射ぬかれて、俺の心は震えた。
1選手として、1人の選手にこれ程まで影響を与えられたプレーが出来たことを嬉しく思う。
「ありがとう。………そうだ。お前、下の名前って何?」
「えっ名前、ですか……?京治、ですけど。」
赤葦の答えに頷きを返し、ニィ、と挑戦的な笑みを作る。
「__京治っお前は俺を気持ちよく飛ばせてくれるか?」
すっ、と伸ばした人指し指の先に立つ赤葦の目が再び見開かれ、揺れる。
「~~~~~っはいっ!必ず………必ず銀鏡さんを、飛ばせます。……俺の………トスで!!」
力強い赤葦の言葉に笑顔を返して。
国見や金田一もそうだけど、後輩たちが慕ってくれるのは素直に嬉しいよ。
……だったら俺は、その期待に応えるべく
"プレーで魅せてやる"だけだろう。
___The thought that I received.