第12章 合同合宿
___久々の再会に和気あいあいと話しつつ烏野メンバーを更衣室へと案内した俺たちは先に体育館へ戻り、再びそれぞれのチームの元へと加わった。
「___おっそい!!悠ってば、自分のチーム放っといて何処ほっつき歩いてたの!?」
「………………。」
俺の戻りが遅いと腕を組み仁王立ちで睨み付けてくる及川に、言葉を返すのも面倒に思い明後日の方向を見ながら聞き流していると、ズンズンと近づいてくる人影に気づく。
その手にはボールが掴まれていて
ドカッ
「ホゲェッ!?痛……げっ!?」
ゆらりと立つ岩泉。
青城の鬼、登場です。
岩泉はガミガミと煩い及川をあっと言う間に黙らせると、及川の首根っこをつかみコートへと向かって歩き出す。
………が、すぐにぴたりと足を止めると、振り返り真っ直ぐに俺を見つめてきた。
「……なぁ、お前しばらく暇なんだろ?折角だし、色々"視て"こいよ。」
ニィ、と悪そうな笑顔を向けてきた俺の相棒に、俺も同じように笑顔を返して。
「もちろん、そのつもりですよ?」
「………くくっお前のお眼鏡にかなうヤツがいるといーけどな。」
言い放ち、後ろ手に手を降りながら去っていく岩泉。言われて何だが、俺は既に気になる選手がいるのだ。………まぁ、ソイツら全てが本当に俺を楽しませてくれるかは別だけど。
青城と森然とのゲームが始まり、さっそく見れた森然のコンビネーション力の高さはなかなかのものだった。慣れない始めの内は及川らも苦労している様子もあったが白鳥沢を下し自信を付けた青城メンバーたちは自分達のペースを崩すことなく、今は安定感のある有利な試合運びをしている。これなら負けのペナルティは避けられるだろう。
そして、そんな及川たちの姿に思わず口角が上がる俺。
……だって仕方ねぇじゃん?
俺に影響されて皆がスキルアップしてくれてるなんて嬉しいだろ?
今も鋭いスパイクでブロックを打ち破る岩泉たちの姿に気を良くした俺は、鼻唄混じりに隣のコートへと足を向ける。
次はどのチームが見れるかな、と心はワクワクして足取りも軽い。
____Observation.