第11章 祝杯
床に座り込んでいた俺に寄りかかるようにして座る及川。考えこむような表情をした岩泉は腕を組みながらドサッとソファに腰を下ろした。
「……よくわかんねぇが、普段あんだけ偉そうなウシワカがお前にはあんな姿見せるなんて、よっぽど悠のプレーに衝撃を得たんだろーな。………まぁ、俺もわかんなくねぇけど。」
岩泉の言葉にむず痒さを感じ、俺はそれをごまかすように立ち上がり、伸びをする。
「んー……正直俺もよくわかんねぇけど、でも、1プレーヤーとして同じバレープレーヤーをプレーで魅せられたならそれは光栄なことだわ。」
飲み物を取るべく冷蔵庫に向かおうとすると、くい、と捕まれた腕。振り返る先には俺の腕を掴み、にっこりと微笑む及川の姿。
「俺もお前のプレーに惚れ込んでるよ。今日も最高に格好良かった。………つか、楽しかったよ。」
「____っ!」
気がついた時には遅く、俺の顔は見事に真っ赤に染まっていて。そんな俺の姿に目を見開き驚いた表情になった及川と岩泉は、次の瞬間には笑顔になって、俺へと飛びかかってきた。
「な~に照れてんだ~?悠~~。」
「ふふっ♪悠の顔が真っ赤だねぇ♪かーわいい☆」
___Embarrassment.