第3章 帝王
「…イッセー?何もいないけど…?」
ナニカを見たことすら記憶から消した俺は、松川の顔を見て首を傾げる。
松川は俺の反応にブハッ、と噴出す。
「すまん、俺の勘違いだったわ。」
「だろー?焦ったわ。お前には俺に見えない何かが見えてんのかと思った『ちょーーーー!!!君達っ!俺のこと無かったことにしないでよ!!』…っうお!?」
大声とともに俺に飛びついてきた及川…いや、アホ川。
____チッ
来やがったか…こいつ本当こうゆうのだけは聡いよね。
しかも何でいつも抱きついてくんだよ!そんで何で頭を擦り付けんだ!?
「ひどいっさっき目あったでしょ!?及川さん合図送ったの知ってんでしょ!?悠のこの綺麗な瞳で俺のこと見てたじゃん!!!」
「あ?見てねーし。ヤンキーみたいな吹っ掛け方してんな。…つか綺麗な瞳とか言ってて寒くないの?お前…マジ鋼のハートだな。」
…そしてなぜか顔を赤らめ俺を見つめる及川。
え?今ので何でこんな顔になんの?意味わかんないよ、この人。
宇宙人か何か?俺とは次元の違う価値観の人であることは間違いないが。
「…及川。後でこいつにお前の”殺人サーブ”受けさせようと思ってんだけど。」
華麗にスルーを決める松川。
ここのスタメンとは仲良くなれそうだ。うん。
____Oops!