第3章 帝王
「………お前は悪くない。ただ、その顔と動きがムカついたから殴った。」
ーーーええええ!?
そっち!?岩泉くん、そっちに反応したの!?
ドンマイでーすwアホ川さん。
でも、さすがに可哀想だし頭撫でてやるよ。
「悠~~~~~!!!!俺の天使~~「違います。」……じゃ、マイステディ~「いえ、他人です。」………た、他人いやーーー!!!」
おいおい泣き始めたので、無視することにしたよ。
時に、離れてやるのも大事なことだよね。うん。
「………で、お前は歯食いしばってんのか?」
!!!!!!!!
な、何ですとーーーーーー!?!?!?
「え、それ、まだ継続してんの?生け贄捧げたのに?」
「は?殴る理由がちげぇだろ。………いくぞ?」
そのニヤリ顔、犯罪者の顔ですよーー!?
悪いことしてないのに何故かシメられた可哀想な俺は、他のメンバーたちと基礎練習に参加していた。
「なぁ、悠。お前のポジションだと、守備には参加しないんだろうけど、実はレシーブとか苦手だったりすんの?」
走り込みを終らせ、ステップ練習の順番待ちをしていたところ、隣に並んでいた松川が声をかけてきた。
先程の云々はあったけど、すぐに部員たちとは、打ち解けることが出来、今ではすっかり仲良くなった。俺のコミュニケーション能力高けぇw
「ん~すげぇ得意ってわけじゃないけど、別に苦手じゃあないよ。でも、俺、スパイク命だからね、レシーブに関しては俺より巧い奴なんていっぱいいるよ。」
「そーなんだ。でも、日本代表ってくらいだから、それでも普通よか何倍も巧いんだろーけど……あ、そだ。あいつのジャンプサーブ受けてみてよ。」
「あ?あいつって?」
松川が指差した方向を見ると、丁度自分の番を終えた及川の姿。
そのアホ(←)は、俺の視線に気づいたのか片目を瞑りウィンクを飛ばしてきた。
…………イラッ
______Force to be tried.