第10章 最大の好敵手
【 白鳥沢side 】
「一本、止めるぞ!!」
「「オオッ」」
気合いを入れ直し、再びネットの向こうへと意識を集中させる。
再びサーブ権は青城へと移り、笛の音が聞こえると、すぐに松川のサーブがこちらのコートへと飛んでくる。
悠や及川、岩泉のそれに比べると驚異のないサーブに、丁寧なレシーブで処理し、遊佐の元へと返す。
ギュキュ、
強く床を蹴る音が聞こえ、次の瞬間には高く上がった牛島の体。
チームが辛いときこそ、エースがチームを引っ張っていく。牛島はまさにエースの鑑とも呼べる選手で、幾度となくここぞという場面では決めてくれる。
「頼みます__っ!」
遊佐の願いがこもったボールが今、牛島へと届く__
___I will rely on.