第10章 最大の好敵手
【 及川side 】
「「もう一本っ!!」」
二人して合わせたように重なる言葉。
……何だろう。
この胸のモヤモヤは。
俺の知らない悠をウシワカは知っているんだと、見せつけられているような感覚を覚える。
何これ。すんごいムカつく。
ウシワカなんて俺らのこと眼中にないんじゃない?
だめ。
お前なんかに悠は持っていかせないよ。
「悠っ!ナイスドシャット~~☆さっすがぁ!及川さん、惚れ直しちゃったよ♪」
そのバランスよく筋肉の巡らされた上半身に飛びつくと、嬉しそうに笑顔をみせる悠。
「久々に若のスパイクのブロックだからテンション上がるわー。」
「ふふっウシワカのアノ顔堪んないよ♪さ、次は岩ちゃんが決めてくれるからね!」
悪いけど、青城(うち)は悠だけのチームじゃないんだよ。
それをこれから及川さんたちがたぁっぷり教えてあげる。
待ってろよ?ウシワカめ!
____Not passed!