第10章 最大の好敵手
主将同士の挨拶を終えた及川がムカつくイケメンスマイルを湛え戻ってきた。
「サーブ権もらってきたよ。さぁ、悠っ!しぃっかり"ごあいさつ"よろしくね~~♪」
今回のローテーションで、一番始めにサーブを打つことになっていた俺は、手首を回しながら及川に頷きを返す。
「ん。しっかり"ごあいさつ"してくんよ。」
するとヘラヘラとした笑顔でいた及川の表情が、ふ、と真剣なものへと変わる。俺の肩をつかむ手には力が込められていて。
「____お前を、……悠を信じてるから。………飛べよ?」
「あぁ。ちゃんと、ついてこいよ?………俺の本気に。」
「任せてよ!俺も…岩ちゃんもみんなも、悠を1人になんかしないから!安心して暴れてきてね☆」
言わなくとも伝わっていた不安を払拭してくれる言葉にジンと胸を熱くした俺は、照れ隠しで及川の頭をグシャグシャと乱暴に撫でると、円陣を組むべく皆の元へと向かう。
両隣には及川と岩泉がいて。
二人の掌が俺の肩と背中に触れている、ただそれだけで溢れんばかりの二人の想いが伝わってくる。
「___いくぞ!」
『『オオスッ!!』』
___さあ、行こうか。
白鳥沢の皆さんは準備は整ってる?
どうか、俺の本気に
ついてこいよ?
___Begins