第9章 初陣
____着替えを済ませた俺たちが監督の元に集まると間もなくして始まったミーティング。
そして、またしても監督は俺を苦しめる一言をいい放つ。
「___なお、第3試合はライトのWSのポジションは1セット目を国見、2セット目に悠が入る。頼むぞ、国見、銀鏡!」
「えっあっ、はい!」
「………うす。」
自分の名前が呼ばれたことに少し驚いたような様子を見せた国見が遠慮がちに俺を見ていたが、不貞腐れていた俺はそれに気づいていたけど気付かない振りをしていた。
「………おい。何つー面してんだ。バカ。」
岩泉の腕の重みが肩にのし掛かってくるのを感じながら、ちらりとその顔を覗くとニッと歯を見せ笑う幼馴染みの顔がそこにあって。
何だか落ち込むのも馬鹿らしくなった俺は盛大なため息を漏らす。
「はぁ………ま、後輩にポジション譲るのも先輩の役目ってやつか。いいよ、今回は。次は始めっから本気モードで行くって決めたし。」
「そーだそーだ。次の泉石は俺らに任せとけ。お前の力借りるまでもねぇよ。………それよか明日の白鳥沢頼むわ。マジで勝ちてぇのよ俺。」
じっと見つめてくる本気の意の込められた岩泉の瞳。その思いに応えたいと、心の中で誓って。
「………あいよ。若退治は俺に任せろ。」
「ん、頼んだ。………つーわけで!お前らっコイツの活躍する機会与えねぇくらい次の泉石戦、攻めてくべ!!」
岩泉の熱のこもった言葉に青城メンバーたちの目に闘志が宿る。
「「「「「「___おお!!」」」」」」
「ってことでアップ始めんぞー!」
アップに取りかかるメンバーたちを余所にただ一人及川だけが、本来自分がやるはずだった"俺を慰める→他の選手を奮い立たせる"を岩泉に奪われたことに酷く落ち込んでいた。
そんな及川の背中をポンポンと撫でながら、笑顔でドンマイ、と告げると、残念な泣きべそ顔を見せる及川。
「やっぱり悠は俺の天使「違います」なっ!?否定するの早っ!」
嫌なときは嫌と言うのも大事ですから。
____第4試合、対戦校の泉石は安定感のあるチームだったが勢いづく青城のペースを崩せず、結局はうちが主導権を握り続け2セットを連取した。
「___勝者、青葉城西高校!」
___I hurry in the point.