第9章 初陣
笛の合図と共に、花巻のサーブが烏野コートへ入るとリベロのレシーブからトスへと繋がり、レフトの田中へとボールが上がる。
「っだっしゃあぁぁあいっっ!!」
バチぃっ
雄叫びと共に放たれたスパイクは、松川のワンタッチにより上がると、渡によって及川へとボールが渡る。
「イッセー!ナイスタッチ!」
「まっつんナイス!………渡っち!」
及川が床を蹴り、その体が宙へと浮かぶと同時に前衛の二人と俺が再びスパイクモーションに入る。
ネットの向こうの烏野メンバーは、ブロックポジションに一瞬戸惑いの色を見せた。
____だが、
ドカッ
「____なっ!?」
見事に虚をついた及川のツーアタックにより、烏野は動く間もなく加点を許してしまう。
「ほらほら、次も同じの行くからね。しっかり警戒してよね!」
「なっ!?」
身内ですらムカつく表情を見せる及川が烏野を挑発すると、見事に日向と田中、影山辺りが動揺の色を見せるが、澤村の安定感のある一言によって冷静さを取り戻していた。
相変わらずな烏野の様子に小さく笑いながら、再び意識を試合へと戻していく。
…………次は、そろそろ相棒さんの活躍が拝めるかな?
再び及川の元へと上がったボールを、先程よりもあからさまにスパイクモーションに入った及川の手が捕らえる寸でのところで、トスへと切り替えられ、またしても及川の策略に嵌まってしまった烏野は岩泉のスパイクをブロック出来ずに連続失点を許した。
「岩ちゃんっナイス~~!」
「ナイスキー!一っ!」
「__おぅ!」
_____I get on force.