第9章 初陣
振り返った先、ニヤリと楽しげに笑う岩泉と視線が重なる。
「どんどん行くぜ?……相棒!」
「………あぁ。続けよ?お前も。」
「ったりめーだ!」
掲げられた掌を勢いよく叩くと、バチンと軽快な音が鳴り響く。
公式試合の中で仲間に受け入れられる感覚に、じんわりと熱くなる目頭。
はは……
やべぇ、嬉しい____
「さぁて、悠のお披露目も出来たことだし、ドンドン行こう!」
会場中がどよめく中、上機嫌な及川がパンパンと手を叩きながら声をあげた。
『『オオッ!』』
それぞれが自らのポジションに戻ろうとしていると、トン、と叩かれた背中。
振り向くとそこには満面の笑みを称えた及川がいて。
「次は及川さんが魅せちゃうからね?…………見ててよ。悠。」
「………あぁ、頼むぜ?」
コツ、と音をたて重ねた拳。
燃えたぎる己の中の闘志を抑えられそうにない。
…………否、抑える必要はないのだ。
楽しいショーは幕を開けた。
翔ぼうぜ、今日も。
誰よりも、
高く_____
___Towards a high place.