第9章 初陣
【 及川side 】
「10番にあまり振り回されないように。コースは絞って止められるものは止める。それ以外のものは拾う。…………それと、……… 銀鏡。今日はお前の日本の高校バレーでの初陣だ。"最強"のスパイクで会場中の度肝を抜いてこい。」
『『『『『ハイッ』』』』』
監督の言葉に目に闘志をたぎらせ、深く頷く悠。
ふふっ悠ってば、ウズウズさせちゃって………本当に試合に出れるのが嬉しいんだなぁ。
今すぐ、コートに入りたい!ボール触りたいっ!って顔に書いてあるしw
「よーし、やるかぁ!それじゃあ、今日も____信じてるよ。お前ら。」
俺の言葉に皆の表情がピリリと緊張感を孕んでいく。
うんうん。
今日もいい感じに高まってるね♪
そして、一際ギラつかせた眼を向けてきた悠にニコリと笑顔を向けると、ニィと口角だけを上げてサディスティックな笑みを見せる悠。
ゾクゾク____
その眼を視るだけ悠の中に蠢く勝負に飢えた獣が、今か今かと暴れようとしているのを感じ、思わず身震いをしてしまう。
いいね……
悠のその眼、堪んないよ。
皆の闘志が高まる中、円陣を組むと隣に立つ悠の背中にそっと手を触れる。
「____行くぞっ!」
『オオスッ!!!』
それぞれがポジションに向かう中、悠の肩をトンと叩く。
「…………飛べよ。好きなだけ。」
___I want to see you who fly freely.