第8章 開幕
【 烏野高校side 】
伊達工業との試合を終えた烏野一行は観客席から青葉城西の試合を観ていた。
「うわー………及川のサーブえげつないな……。これでサービスエース何点目なんだ?」
「これで、5点目だ。……たく、アノ威力の上にえげつないコントロール力には頭が痛いわな。」
「…………って、あれ?そういや、コートに悠いなくね? 」
コートを覗きこむ菅原の言葉に、澤村も青城コートに目をやるものの、目的の人物は見当たらず。
「あ………。あのベンチにいるヤツ、悠じゃないか?」
「えっ!?ベンチって…………うお、まじか!!つかスゲェつまんなそうにしてるしw」
二人の視線の先、青城サイドのベンチに座り、つまらなそうに試合を見ている悠の姿に菅原が笑いをこぼす。
「おい、澤村。青城に"アノ"銀鏡悠がいるって本当か?」
すると、烏野のコーチである烏養がその姿を目に止めようと体を乗り出しコートを覗く。
澤村は烏養の言葉に頷きながら、ベンチ側へと指を指すと烏養が、うぉお!、と小さく叫び声をあげた。
「………す、すげぇな……マジで、U-19で世界トップと称される銀鏡がいるとは……及川だけでも厄介なのに、銀鏡相手となると……ハハッやべぇなこりゃ…」
緊張の色を孕んだ烏養の表情に、烏野メンバーたちの顔にも緊張が走る。
____だが、
__Thought at the seat.