第8章 開幕
俺の言葉に体を奮わせていた及川が、口を開こうとしたその時
及川の後ろから何が俺へと飛び付いてきた___
「__悠さんっ!マジ格好いいっす!一生ついていきますっ!!」
突然の衝撃に驚く俺は、その抱きついてきた奴が国見だったことに更に驚きを重ね、隣にいた及川に至っては一瞬状況理解が出来ずに固まっていたものの、すぐに息を吹き返し今じゃギャアギャアと怒りを露にしていた。
……しかも、その後ろには出遅れたらしき金田一が手を伸ばしたまま固まっていて。
___え!?
ナニコレ………!?
どうゆう状況……?
このくっついてんの英だよね!?
あの万年低体温(←)な国見英ですよね!?
「………え、ちょ、英?落ち着けって。」
動揺のあまり言葉に詰まる俺に拍車をかけるように、国見がキラキラと目を輝かせながら興奮覚めあらぬ表情で俺を見上げていた。
「悠さんっ俺、本当は中学ん時から悠さんのプレーに憧れてて……!強気なプレーも言葉も本当に格好ぇっす!!」
「ちょっと!!国見ちゃんっ!?何でいきなり悠に抱き付いて告白タイムやってんのさっ!?いい加減、は~な~れ~な~さ~い~~~!!!」
状況理解が難しい現状に、頭がショートしそうになっていると、タイミングを読んだように救いの手が差し伸べられた。
「__さっきっからウッセェぞっ!!及川ぁ!!……それに、国見もいきなり何興奮してやがる。落ち着けアホ。」
俺の素敵な(←)相棒こと岩泉様によって収束した状況。
ありがとう!!
いつもながらお見事ですっ!←
心の中で岩泉に感謝の意を述べていると、自らの行動にハッとした様子の国見が、やってしまった感を漂わせながら、そっと俺から体を離し、目線を泳がせていた。
そんな国見の様子に思わず笑ってしまった俺は、小さくなった国見の頭をポンポンと撫でながら、ニカッと笑顔を向ける。
「ククッ………よくわかんねぇけど、俺のプレーに憧れてくれてんだろ?ありがとな。」
「~~~~っはいっ!」
嬉しそうな笑顔を見せた国見。
___The unexpected form.