第8章 開幕
俺は、ふう、と小さく息を吐くと、その隣に腰掛けコートへと視線を移す。
すると視界に入ってきたオレンジの小さな背中。
ん?
烏野にリベロなんていたか?
……あぁそうか。多分アレだな。
大地が言っていた烏野の”守護神”ってやつ。
小柄だけど、いいバネもってそうだなぁ、だなんて考えていたら自分の中に沸き上がってくる感情に俺は思わず苦笑いしてしまった。
____あ、やべ。
んなこと考えてたらスパイク打ちたくなってきた。
素質のありそうな(特にブロックやレシーブね!)選手を見るとスパイクを打ち込みたい衝動に駆られてしまう癖はなかなか厄介なもので、これのおかげで余計に我慢が辛く感じてしまうのだ。
ボールを寄越せ、とウズウズしてくる体。
俺の中の獣がざわめき始めているのを感じる。
___が、
しかし、現実は無情にも今日の試合で俺の出番はないわけで。
監督は意地が悪い人だと思うんです。
だって酷くないか!?
試合を目の前に俺にどうしろってのさ!?(泣)
___Irritated feeling.