第3章 帝王
「あ、徹、お願いがあんだけど、渡くんの後ろに厚手のマット置くか、誰か二人くらい立つかしてもらってイイ?」
「えっ!?いいけど………何で?」
意味わかんないって顔してんな。
そりゃそうだ。だって、お前ら経験ないもんね。
しゃーないよ。
でも、俺はそう分かってても言っちゃうよ。
しれっとね。
「何って………吹っ飛ぶから?」
「「「「「「「「「「!?!?」」」」」」」」」」」
その場にいた全員が驚愕しているこの空気。
あれ、何かこれ、デジャブ?
さっきもあったよね。こんなん。一体感半端ねぇな。
にっこり笑って見せると、及川が、わかった、と小さく返事した。
これから俺のスパイクを受ける渡は、胸元で手を固く握りしめ表情が強ばっていた。
あれ?余計なプレッシャー与えちゃった系??
____There are more than the imagination.