第8章 開幕
いよいよインターハイが明日から始まるという中、練習を終えた俺たちは入畑監督の元に集合をしていた。
「ま、今回のスタメンは確実にお前が入ってくるからなー。誰が控えにまわるんだか。」
隣にいた花巻が俺の肩に手を乗せながら、ふぅ、とため息をつく。
「貴はどう考えたってスタメンだろ。それに実力から見ても3年は入んじゃねぇの?」
「だといいけどな「あーっ!マッキーっ!!俺の悠独り占めしないでよねっ!?」………あ?いつから悠はお前のもんになったんだ?」
毎度同じく飛び付いて来た及川。
本当にさぁ………
このバカ犬は何度抱きつくなっつっても、やめねぇし……。
まぁ、正直慣れてきたっつーのもあるけどさ。出来ることならやめてほしいわけよ。
暑いし、重いし、ウザいし。
「そぉれぇはぁ~マッキーの知らないずっと昔からだよ☆ね?悠っ♪」
ムカつくイケメンスマイルでウィンクを飛ばしてきた及川に、無性にイライラしてきた俺ニッコリと笑顔を作り首を傾げて見せる。
「………さぁ?何のことかさっぱり。」
「んなっ!?ちょっ!悠!?忘れもしない幼稚園の頃に__「グダグダうっせぇぞクソ及川ぁ!!今すぐ黙れねぇんだったら、死ねっ!!」………いっ岩ちゃんっ!?…顔が怖いから!そんなんだから女の子にモテな__ギャン!!」
ドガっと景気の良い音(←)を立てて撃ち込まれた岩泉の蹴りは、及川の太股に見事に炸裂し、そのあまりの痛さに及川はしゃがみこみ悶絶していた。
いやぁ………
毎度ながら一のツッコミのタイミングは抜群だよね。
相棒の俺としても感服だわw
ま、これもアイツらの阿吽の呼吸ってやつなのかね←
ぞろぞろとメンバーが自分の元へと集まってきたのを確認すると、監督の入畑がゆっくりと口を開く。
「__よし、全員集まったな。では、明日からのインターハイのスタメンを発表する。」
シーンと静まり返る選手たち。
その顔には皆一様に緊張の色を見せていて。
____Announcement.