第7章 仲間
コートの上では矢巾の上げたボールを空中を舞うように綺麗な弧を描き、強打を決める悠の姿。
そしてそれに対峙していた及川と岩泉、花巻が見事にドシャットを決めていた。
「「___っシャア!」」
「いえ~いっ!!ドシャット~!!どーよ!?悠~~?」
うまくブロックが決まったことにガッツポーズをとる花巻と岩泉。その隣では、ダブルピースを作りながら喜びを露にさせている及川の姿。
「おー!今のバッチリだったな!悔しいくらい気持ちよく止めやがったな。」
自分のスパイクを止められたにも関わらず嬉しそうな笑顔を見せる悠。
「よーし!!及川っ岩泉っ花巻っよくやったっ!今のはよく抑えられていたぞ!!___次っ松川、国見、金田一っ!!」
「「「はいっ!」」」
入畑はそんな悠の姿を見ながら1つの打開策を見いだすが、そのことは悠だけでなく他の選手にまで影響を与えてしまう内容であり、切り出すべきかすら悩ましいものであった。
(及川………。お前は、俺の判断を受け入れるのだろうか………。)
コートの上では、最後の強打対策練習が終わり、1人強靭なスパイクを打ち続けていた悠が水分補給をしながらコーチと話をしているのが見える。
そして、次の瞬間、悠と対峙していたコーチの溝口の目が見開かれ驚愕した表情を浮かべたと思うと、悠の肩を掴み、必死な形相で訴えかけるも、当の悠は困ったような笑みを見せるだけであった。
___Breakthrough.