第7章 仲間
落ち込んだのか急にトーンダウンした及川を放っておき、俺と岩泉は影山と日向の神業速攻について盛り上がっていた。
「は!?あの速攻を1回見ただけで、見切ったっつーことか!?ドシャット決めるってお前………やっぱ凄ぇ奴なんだな。」
目を見開き驚いた様子で話す岩泉だったが、当の俺はというと首の後ろを掻きながら苦笑いを返している。
「ま、これでも世界を相手にやってきてるからね。経験だけは豊富なんですよ。」
「そうゆーもんでもねぇと思うけどな……。」
「………………。」
飄々とした俺の受け答えに呆れ気味にため息を漏らす岩泉と、そんな二人を静かに見つめていた及川は思い詰めたように表情を暗くした。
(………………青城では、悠を_____)
「………徹ー?まだ落ち込んでんのかよ。悪かったって。」
俺の言葉にハッとしたように顔を上げた及川は何事もなかったかのようにいつもの調子に戻っていて。
「もぉ~~~!二人してずっと俺のこと無視しちゃってさぁ~。もう及川さん泣いちゃうとこだったよ?」
「………そうか。それは邪魔して悪かったな。」
「………で、明日の朝練なんだけどよ」
「ちょ!?悠それどゆこと!?岩ちゃんも完全スルーやめて!!」
___Anticipatory anxiety.