第7章 仲間
「…………よし。……ま、左手じゃないだけ感謝しろよ。」
及川の頭から手を離すと左手をヒラヒラさせながら食器棚へと向かう。
チラリと後ろに視線を向けると頭を押さえながら及川がこちらに歩み寄ってくるのが見える。
____トン
背中に感じた重みに、及川が自分に寄りかかってきていることが伝わってくる。
「………悠が綺麗にしてたキッチンを汚してしまい、すみませんでした。…………でも、俺……少しでも悠の役に立ちたかったんです。」
珍しく自信なさげな声色に、俺はふっと小さく笑うと振り返り及川の頭を軽く小突いた。
「ん。気持ちは伝わってっから。………でも、片付けはちゃんとしろよ?」
「~~~うんっ///!よぉーし!及川さんも準備手伝っちゃうよっ♪」
3人でテーブルに着き、及川特製のカレーを食べながら俺は烏野との交戦について二人から質問攻めにあっていた。
「ちょっ試合形式ってどうゆうこと?!……まさか、飛雄にトス上げてもらってないでしょーね!?」
及川は影山のトスを俺が打ったか否かが余程重要らしく、必死な形相で詰め寄ってきたのをあしらいながらカレーを口の中へと頬張る。
「影山のトスは打ってねぇよ。……んなことしたらオメェが煩せぇだろうし。」
「"影山のトスは"って………じゃ、誰のトス打ったの?」
「あー……あれだ。他のセッターの奴。トス上げだけやってもらったけど後は俺が2役分やったんよ。」
「誰それ!?ムッカつく!!俺の悠の「で?オメーはサーブもレシーブもブロックもスパイクも全部一人でやったのか?……1セットだけっつってもえげつねぇな…。ま、それでも悠の圧勝だろーけど。」…………ちょっと岩ちゃん?及川さん話してる最中に横槍いれないでくれる?今大事な話してんの!ね?悠っ」
「……いや?特にしてねぇけど。」
「んなっ!?」ゲーン
____Difference.