第7章 仲間
___シャワーからあがり濡れた髪をタオルで拭きながらリビングへと向かうと、ソファの近くに立っていた及川が目を見開き愕然とした表情で俺を見た。
その手には"月刊バリボー"
もちろん表紙には"笑顔の俺"。
あーーー……
嫌な予感しかしねぇ………
つか何で及川が持って____ん?
視線の先ではそそくさとソファから立ち上がろうとする岩泉の姿。
「………一ぇ………どこ行くんだよ。」
その肩をガシッと掴むにっこり笑顔の俺。
すーっと逸らされた視線。
「………飲み物取ってくるわ。後は頼んだぞ。」
岩泉の肩を掴んでいた俺の手を掴み肩から外すと、すぐに去ろうとする岩泉の導線を塞ぎ、腕を組み立ちはだかる俺。
「………いやいや、一くんよ。何か、お前とんでもねぇことやってくれたんじゃねぇの?」
「あー………わりぃ。何のことかさっぱりだわ。」
なおもしらを切ろうとする岩泉にとびきりの笑顔を張り付けた俺が迫っていると、ドンと背中に感じた衝撃。
「………悠………俺聞いてないんだけど。どうゆうこと?」
………多分、これはバリボーの表紙のことを言ってるわけで。
「………まぁ言ってねぇからな。……この前の選抜の練習の時に取材来てたんだよ。だから俺以外にも若とかサクとか載ってんだろ?」
「………何それ。何で言わないの?……つか、及川さんこんなに小さく(3cm×3cm)しか載ってないのに、何で悠(名前)が表紙と特集コーナー(4p)なの!?…………しかも、ウシワカが1p全面写真とかあり得ないんだけど!!!あ"~~~~っ腹立つぅ!!」
「うっせぇ!!知るかっ!俺が決めたわけじゃねぇっつの!!」
「___っい"っ!?」
俺の耳元で大声を出しながら足をバタバタとさせている及川の腹にエルボーを打ち込むと唸りながらへたりこんだ及川。
「ひどい……本当にひどい………悠の裏切り者………。」
____Every care.