第3章 帝王
未だ震える及川は、俺の言葉にビクリと跳ねる。
俺は及川の頭を優しく撫でながら微笑みを向けてこう言ってやったよ。
「俺はお前のモンじゃねぇよ?お前が、俺のモン(←注イジリ相手として)なんだ。」
ほら見て、及川くん変な顔w
「あっあの…………っ!」
俺の言葉により悶え死んだ(←死んでません)及川に手を合わせていると、自分の少し下あたりから声が聞こえてきた。
そこにいたのは坊主頭でつぶらな瞳の青年。
見るからに良い子そうな印象で、ここにいるナントカ川さんとは大違いってくらい、綺麗な目をした子。
「えっと…「わ、渡ですっ」渡くん、何でしょう?」
渡は何だかモジモジしながら次の言葉を言おうか迷ってる、そんな感じだった。
え、そんなに言いにくいこと言うつもりなの?
顔変ですよ、とか?ま、まさか、ズボンのジッパー開いて___ませんね。よかった。
「……その、ぼ、僕が銀鏡さんのスパイク……受けてもいいですか…?」
ちらりと見上げてくる綺麗な瞳。
うん、可愛いよ。渡くん。
お兄さん、可愛い子には弱いんだ。
「いいけど…………君、リベロ?………怪我させちゃったらごめんね?」
「「「「「「「!!!!!!」」」」」」」
瞬間、ピリッとした空気に包まれた部室。
俺は口角を上げ、ニヤリと笑う。
「俺の本気スパイク…………」
そこまで言って指を3本立てる。
「日本の高校バレーで止められるのはこんだけ。」
((((((ま、まじかよ…………!?!?))))))
「………それでも、受ける覚悟はあるかい?」
俺の挑発的な発言に顔を赤らめる渡。
さぁ、どうでる?
………つか、及川。
反応すんのお前じゃねーし。
顔赤くして目を潤ませんなっ!キモイっ!
そんなアホ川は華麗にスルーされ、渡はやっとの思いで口を開く。
「う、………受けます。だって………銀鏡さんのスパイク、受けれるようになれば………白鳥沢の、牛島さんのも受けれるようになれますよね……?」
「ん?若のスパイク?そうだな…………"案外軽いじゃん"って思えるようになるよ。俺のスパイク受けれれば、だけどね。」
___Margin of the strong,