第6章 奇襲
【 烏野高校side 】
「………うわぁ……清水が完全に恋する乙女化しちゃってるよ…。悠の奴、バレーだけでなく、イケメンっぷりも半端ないからなぁ………ははは。」
少し引き笑い気味の菅原の言葉に頷く澤村と縁下たち。
影山と日向、山口に関しては、顔を湯気が出そうなほど真っ赤に染め固まっていた。
………そして、日頃から清水に慕情の思いを示している田中はというと____
「……きっ潔子さんの…………じゅっ…純潔がぁぁあああ~~~~~!!!!!」
四つん這いになり床を叩きながら大粒の涙を流していた。
そんな田中に哀れんだ目を向ける一同。
「…………まぁ、あれは仕方ないよ。………田中。……天っつーのはさ、時々、ああやって銀鏡さんみたいな人に二物も三物も与えることもあるんだよ。」
そっと田中の肩に手を触れる縁下が発した優しいような酷いような言葉に、更に悲しみを深める田中。
「………縁下ってさ……もしかして2年で一番怖い奴なんじゃないかって、時々思うよ……。」
「………奇遇だな。俺も今、そう思っていたところだ。」
菅原と澤村はそんな二人のやりとりを見て、縁下への評価を改めたのだった。
____Inequality.