第6章 奇襲
完全に油断していた俺の背中へと突っ込んできた菅原により、倒れそうになった体を寸でのところで踏みとどまると、俺の奮闘とは裏腹にニシシに嬉しそうな笑みを見せる菅原。
「ちょ、孝支っ!危ねぇだろっ!」
「最後の1発!!度肝抜かれたわ~~~。本っ当にお前って凄ぇよなっ!!まじ格好良すぎて、惚れるかと思ったわw」
「あ?俺のスパイクが凄ぇのは当たり前だろ?スパイクに命かけてっからね。俺は。」
「~~~~~///!!やばい……そう言う強気発言とか様になりすぎてて、痺れるわぁ」
「バーカ。"強気"じゃなくて"事実"だろ?……つか男に惚れられても嬉しくねぇよ。」
そう言い笑って見せると、菅原は目をキラキラと輝かせ、反対にその隣では澤村が大きなため息を漏らしていた。
「本当に凄いやつだよ。……悠は。あんなスーパープレー見せられたら誰だって憧れるわなぁ。…………で、1ついいか?悠。」
後頭部を掻きながらこちらを伺うような視線を向けてくる澤村。
「ん?」
首を傾げる俺に、澤村は親指を立て烏野メンバーのいるコートを指差した。
その先にいるメンバー達は一様にソワソワと落ち着きのない様子を見せている。
「あーー………見ての通り、うちの奴等がお前と話したいみたいなんだが………いいか?………その、ちょっと元気すぎるような奴等なんだが……先に言っておく。………すまん。」
「……?"すまん"て何「__あのっ!!」」
響き渡る大声。
その声の主であるオレンジ頭のチビッ子がバタバタとこちらへ向かい走ってくる。
「あ"っ!?ちょ、待て!日向!ボケぇ!!」
その後ろから凄い形相でチビッ子を追いかける影山。
…………あれ?
何か、これ………
嫌な予感しかしないんだけど………?
___Premonition.