第6章 奇襲
ニヤリと笑って見せると、呆然としたままの表情でゆっくりと歩み寄ってくる澤村。
「…………悔しいが…………完敗だ。悠…………寧ろ、凄すぎて負けすら清々しいくらいだわ。本当に気持ちよくスパイク決めてたな、お前。」
差し出された掌。
その手を握ると、強い力で握り返され、思わず顔をしかめると、ハハッ、と澤村が笑う。
「………油断したな?バーカ。」
「………うっせー。俺のサーブでふっ飛んだくせに。」
見下ろすように笑みを見せると、澤村は後頭部を掻きながら困ったような表情になった。
「うーん………それを言われるとなぁ…。………ま、でも次は必ず受けてみせる。………覚悟しとけよ?」
すぐにその顔は挑戦的な笑みに変わり、今度は反対に俺へと人差し指がスッと向けられていて
「………ふふ……それになぁ……今は訳あって不在だが、うちには"守護神"と呼ばれる選手もいるんだ。………きっとお前も気に入るはず。」
「…へぇ……"守護神"ね………!そら、楽しみだわ。……じゃ、次やる時は、お前とソイツが俺を楽しませてくれるんだな?………期待して待っててやっから、…………頼むぜ?」
「おー!任せとけ。」
お互いに拳をぶつけ合い、笑い合う。
何か澤村の言うことなら、期待してもいいかなって思えるわ。
頼むよ…………
俺をもっと熱くさせてくれよな?
圧倒的に俺の方が強いし、巧かったけど
いつか、お前らと本気を出し合える試合ができたらいいな、と思えたよ。
「~~~~~~っ!!!!悠っっっ!!!」
「っぉわ!?」
_____Promise.