第2章 凱旋
「や、あの…徹…「すっげえええええええええ!!!!」っへ?!」
フォローしようかと彷徨っていた俺の言葉は及川の大声にかき消されてしまった。
そしてものすごい勢いで俺に飛び掛ってきたため、不意打ちを喰らった俺は受身さえ取れずにそのまま屋上の地面へと頭を打ち付けた。
____ゴンっ
鈍い音が空へと響く。
『痛ってええええ!!!』
「わー!ごめーん!悠~!ついねっつい!勢いってやつ!」
「うるせぇっ!死ねっ!!!バカ川っっ!!!死んで詫びろ!!!」
「えっ!?」
「あ、それいいな。よし、死ね。及川。」
……結局なんだかんだで及川のアホをシメてたら(←)、昼休みは終わってしまい、午後の眠い授業を終え、放課後を迎えた。
で、今はね、そのウザ川…じゃなかった、及川に腕を掴まれ、部室へと連行されてます。
もう本当、この子強引すぎるよね。俺が女だったら惚れちゃうのかな?でも生憎、俺様は男なのである。
及川の行動………全くトキメキませんな!寧ろ逆っ!疲れるよ、まじで。
「つか、逃げねーし。離そうよ。徹くん。」
「逃げる逃げないは関係ナッシングっ!俺が早くお前のスパイク見たいのっ!!」
おまっ……ナッシングって………引くわぁ……
渾名が"大王様"ってどっかで聞いたけど、それ、ハク●ョン大魔王の間違いじゃねぇ?
…あ、あれ、魔王か。ちょっと違うけど、まあ同じだろ。だって、そいつが言いそうなレベルのわがままじゃん?今の。
あれだったら、くしゃみしなきゃ出てこないんでしょ?
だったら一生くしゃみしねぇよーに努力するわ。本当。
「…………ぼく、そんなこと言いましたっけ?」
「言った!言った!スーパーエースなんでしょ!?見たいっ!絶対見たい!!」
「………はぁ。」
…………なにこのテンションの差。
つか、岩泉どこいった?俺にアホ川(もう普通に言ってる)押し付けてどこ行きやがった。
後で覚えてろよ……さっき、天使っつったの取り消し。無し無し。
ま、でも、見せちゃうけどね。
俺のスパイク凄すぎて、
及川のアホ面拝んじゃうよ?
____Expected increase