第9章 報告の9歩
ムー「もう十分だろ?アオバ」
その声と同時に剣を止められた
貴方「なにすんのさ」
膨れっ面でムーさんを見る
ムー「どうせアオバのことだからな…
とどめを刺すフリをして顔の真横に突き刺して脅かすつもりだったんだろ?」
貴方「分かってるなら止めんなよ」
膨れっ面のままそっぽを向く
脅かすだけだから
最後までさせてくれたっていいじゃないか
ティトス君は殺さないってーの
不機嫌さを露にした俺を見て
ムーさんは苦笑いをし俺の頭を撫でながら
続ける
ムー「もう十分脅かせただろ?」
それに、とティトス君を一瞥するムーさん
ムー「彼はレーム帝国にとって、とても重要な人物だからあまり手荒なことは避けてもらいたいんだ」
と言い微笑む
なぜか無性に嫌悪を感じ
ダッ
その場から逃げ出してしまった
貴方「ハァ、ハァ、ハァ」
かなり走ったためか荒くなった呼吸を
整え座り込む
呼吸が整ってくると
冷静にさっきの嫌悪感の正体がなんなのか
理解できた
あれはきっとそう遠くない未来…
戦争がおこり平和が崩れることに対する
嫌悪感だろう
貴方「はぁ」
思わず溜め息がでる
しかしこれは避けては通れない[運命]
誰にも話せない
貴方「この世界じゃ俺は誰とも[違う]からな…」
ふと、アラジンと同じような台詞を
吐いていた
ポツリ ポツリ
路地裏に雨が降りだしていた