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【マギ】ジャーファルさんに愛されて。

第12章 【淡い夢】


そして、追い討ちのような言葉を聞かされた。

「彼女は、お前との契約を破棄したよ」
「――――――――――っ!?」

左右の手首にあったはずの、青い草模様の、契約痕が消えていた。
離れていても、お互いを傍に感じることができた。
痕を通じて、想いを馳せる事だってした。
その…、その、大事な『痕』が…。


(私達の…、形としてあった、『ツナガリ』が…)


がく、がく、と震える私の体を、シンは抱きしめた。
いつ振りだろうか、こんなに強く抱きしめられるなんて。
フッと体から力が抜け、彼に寄りかかるようにして倒れる。
意識は確かにはっきりしているのに、声が聞こえない。

(どうして…、なぜ、なぜ…っ)

これを現実だと認めたくなくて、夢だって信じたくて。
重くなっていく目蓋を閉じ、視覚を遮断した。
まるで、彼女が死んでしまったような、そんな感じと似ていたかもしれない。

(…シェリル…)

自ら、意識を手放した。
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