第3章 目的を…。
『シェリーは…もう一人でやっていける』
最期に師匠が私を認めてくれた。
私には金属器も、あなたにもらった影もある。
大丈夫。
(すぐに殺せる)
たとえこの身が朽ちたとしても、あなたに教わった呪術で。
* * * *
「此処ね…」
街中で得た情報と噂を重ね合わせると、人気のない廃墟のようなこの場所に潜伏していることを知った。
顔を見られない深夜を選び、影で襲撃し、様子を見る。
青いルフが、可憐に羽ばたきながら影に入っていった。
影を床から針のように出し、奴らを串刺しにしていく。
「なんだッ!! アイツ、まだ生きていたのか!!」
「…残念ながら、師匠ではなく私です」
顔を覆っていた布を剥ぎ取り、手の甲を切ってブレスに垂らし、『瞬足』で手が届く距離まで近づいた。
驚愕している表情をしながら、部下たちに「殺せ」と指示を出す。
剣を身軽にかわし続け、瞬足で再び距離をとると、ナイフの形に型どった影を投げつけて彼の頭部に深く突き刺した。
「お頭!!」
「ふふ…。あっはははははは!! きゃあぁあああ!!」
悲鳴にも似た歓喜の奇声を上げ、頭を抱えて笑う。
机にあった明かり替わりの火を床に投げつけ、すべてを焼き尽くす炎に変える。
出入り口すべてに影で火を投げ、4階に逃げ場を失った部下たちは燃えていく。
「うわあぁぁぁあッ」
「……飛び降りれば? この高さで、助かるとは思えないけど…。どうする?」
私がそう言うと、熱さに耐えかねた男たちは飛び降りた。
その下には、影で作った鋭い針の山があるとは知らずに…。
悲鳴を上げて落ちていく奴らを見て、微笑んだ時だった。