• テキストサイズ

【マギ】ジャーファルさんに愛されて。

第12章 【淡い夢】



シェリルside
*  *  *  *

「お前に、俺が殺せるか…?」

私の右手首を掴み、引き寄せ、冷たい目で見下ろされる。
けれど…意思が固まっている私は、怯むことなく見返した。
周囲を、私の白いルフがチラついている。

「本気みたいだな」
「当然だよ、シエル。私はもう、シンドリア側の人間なの。この国は護ってみせる、絶対に…」
「…どう足掻こうと、運命は変わらない」

そう、吐き捨てるように言って立ち去る。
シエルの大きな背中を見つめている内に、頬に熱い物が伝った。
声を殺しながら静かに泣く。

「…シエル、シエル…シエルっ」

私たちは、ずっと一緒だと思ってた。
何があっても、隣にいるのはあなただって。
お互いを支え合うのは、お互いしかいないのだと…。

(どうして、こんな事に…)

悲しみを宿した淡い青のルフは、慰めるようにチラついて。
彼の姿が見えなくなると、フッと消えた。

『俺たちはずっと一緒だ。絶対俺がお前を守ってやるから!!』
『二人で国を統一しよう。豊かで、争いのない、平和な国を…』


すべては、幻想だったというのだろうか。


/ 112ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp