第12章 【淡い夢】
(ジャーファルの…、熱い…っ)
甘く深いキスはすぐに終わり、首筋に吸いつかれる。
少し動くだけで、両腕の自由を奪っている赤い紐が手首を締め上げた。
ジャーファルは悪戯に笑い、私の耳を甘噛みする。
「キスマーク、…官服を着ても見えちゃいますね」
「……そ、それは困りますっ!!」
「私のモノだって証は見えるところに付けないと…。あなたは可愛いですから、変な男が寄ってきたらと思うと、私は気が気でない…」
一瞬、切なそうな表情をしたと思ったら、すぐに鋭い目つきに変わった。
そして、嘲笑うように私を見下ろして、両手で顔を挟まれる。
いつもよりも、ひどく甘い香りがする。
……酔いしれそうな、ほどに。
「愛してます。…愛してる、シェリル…」
「はい…っ」
わざと、繋がっている部分を見せるような体勢をした。
恥ずかしくて目を逸らすけれど、顔を下にされて、嫌でも見せられる。
ドクン…ドクン…っと、脈打っているのが見えた。
「あんまり締め付けないで。…奥にイケナイでしょう?」
「…そんなことっ、言われても…。んっく…」
締め上げてしまって狭い私の中に、グッと無理やり奥に入れようとする彼。
いきなり押し寄せてきた快楽が背筋を突き抜けて、ゾクッとした。
腰を引いて強引な彼を拒むけれど、ジャーファルがしっかり胴体を掴んでいる。
「逃げるな」
「…あっ、あぁんっ…」
「全部、俺で埋めてやる」
ああ、昔の頃の言葉が出ちゃいましたね。
照れくさそうに笑っているけれど、行為は緩めようとしない。
ぐちゅ、ぐちゅっという音が部屋に再び響き、私はただ喘ぐばかり。