第10章 【奪われた幸せ】
* * * *
「……なっ!! シェリル──」
「黙って…、声が漏れますよ」
私は手探りで彼の大きな傷を探し、指でなぞった。
「……んっ…」
「私は、ジャーファルさんが大好きです。愛してます」
「……シェリルっ、やめ…っ!! あなたのっ…傷、が!!」
「そんなのどうでもいいです。開いたらジャーファルさんが塞いで下さい」
私を拒絶しながらも、舌を入れてキスをすれば彼はそれに答えた。
目が見えていなくても、荒い吐息で、彼が欲望に勝てなかったことが分かる。
「……痛い、ですよ?」
「それでもいいです。…ジャーファルさん、もう我慢できないでしょう??」
「はい」
遠慮する気配なんてない、ただ静かな声だった。
指先は胸元を通り抜け、下へ落ちる。
そして、中に入ってきた。
「……ふぁっ、はぁ…ぁっ」
「…濡らす必要はありませんね、十分です」
「…はあっ…あ、ぁっ!!」
「入れますよ。泣いて下さい、良い声で…」