第9章 【日常】※脱線します
笑顔で詰め寄り、胸ぐらを掴んでグッと引き寄せて投げ飛ばす。
「アンタ、もう大人なんだから少し頑張れよ!!」
「先輩に向かってなんだお前っ」
「シャル先輩、少しは体を労りましょう!! 酒に毒されていくシャル先輩をみていると…辛くて辛くて!!」
シャル先輩と大乱闘を起こした後、私用の鍛練場に行き、影を出す。
今取り組んでいるのは、影に物体を引きずり込む技。
「……あっ、失敗した!!」
(練習して今日で3ヵ月…、まったく上達しないっ!!)
何故?!と考え込んで夜を迎え、主の部屋に行って就寝を告げる。
「主、私もう寝ますね」
「…………」
返事がなく、また書類に埋もれているのかと彼を探し始める。
案の定、彼を手首だけしか見えない状態で発見した。
(はぁ〜……)
手の甲をトントンと叩こうとした瞬間、動かなかった手がいきなり私の手首を掴んで引いた。
突然の出来事に声も出ず、そのまま床に倒れる。
「ふふ」と含み笑いが書類から聞こえた。
「あ、主…?」
「シェリルは温かいですね、…私は寒いです」
「そんな所に寝てたらそりゃ寒いですよ!! ベッド行きますよっ」
彼を書類から引きずり出し、ブレスでベッドに移動した。