第9章 【日常】※脱線します
「主っ、シン王を捕まえてきました!!」
「よくやりましたシェリル。さぁ、シン。仕事ですよ」
あれから半年。
私は主に、常に従順に尽くしている。
宮殿に鍛練できる場所を設けてもらい、格段に強くなった。
(あとは主に書類を届けて、部屋を掃除して、鍛練……)
以前の私なら、すぐにルフを消耗して倒れていたけれど、今はもうそんなことはない。
主の手となり、足となり、彼に迷惑もかけなくなった。
充実した毎日を、1日ずつ大事に過ごしている。
主は仕事が終われば私の部屋に来て、シン王の愚痴を吐いてはストレスを発散させて帰っていく。
当時のような歪んだ彼は、ここ最近見たことがない。
「マスルールさん、食事持ってきました。食べ終わったら、食器はそのままでいいです」
「…あぁ」
ブレスでシャルルカンさんの部屋に行く。
深呼吸した後、ドアを蹴破った。
「あぁー!! 何するんだよシェリルっ」
「最近、買い出しに行ったら、シャル先輩が禁酒をしていないと聞きまして」
「まずい」と思ったのか、彼は口を閉じて黙りだした。