第2章 出会い。
* * * *
『あははっ…呪術師のアルストを殺してやったッ!!』
『師匠っ!! …嫌です、死なないでください!!』
血まみれで冷たくなった彼を抱きしめて、私は泣いた。
声をあげて…というよりは、絶叫のような気もする。
両手を染め上げる師匠の血が、とても鮮やかだったのを覚えている。
『殺してやるっ!!』
『アイツと同じ憎悪に満ちた目…さすが弟子、そっくりだな』
『だ…まれ…。黙れ、黙れ、黙れぇえぇぇえッ』
怒り狂って叫んだ途端、男の体は横に…真っ二つに切れた。
額から冷や汗が流れて、地面に落ちる。
その時に、自分の影が無いことに気づいた。
男の亡骸の辺りをゆらゆらと動いている影がある。
手を伸ばすと…スッと元の影に戻った。
――――影を操るのは、師匠である彼の能力だった。
『師匠の…形見?』
その時から、私は師匠の形見の『影』…、そして私の金属器の『ブレスレット』の二つの力を持った。