第8章 【愛に飢えた狂犬】
ジャーファルさんはバララーク・セイの刃を持って、ゆっくりと、背中に深く刺していく。
悶絶している私なんてお構いなしで、ぐっ…ぐっ…と奥へ刃を入れようとしていた。
「あ゛ッ!! 痛いっ…!! 止めて、ジャーファルさん、やだッ!!」
「私を止める権利なんてあなたにありませんよ。仮にも元主の私との約束を破ったんですから、当然の報いです」
「それは…、ジャーファルさん、に、迷惑…あ゛っ」
「主に隠し事をするなんて、なんて愚かな従者だろう…」
刺した傷口に指を入れ、爪を立てて再び抉る。
何度も許しを乞いても、彼の気が晴れることはない。
「あ゛っ、あ゛あ゛…ッ!!」
「主に迷惑ばかりかけて…」
「うぁっ…あが…!!」
「体私の名前を刻みます。そうしたら、誰のモノか分かるでしょう?」
「ぃやっ────ぁ゛…っ」
ギッ、ギッと体に刻まれていく彼の名前。
刻み終わると満足そうな顔をして触れ、紐をほどいてうつ伏せに床に倒された。
馬乗りで手首を捕まれ、傷口を消毒するように舌を這わせていく。
鋭い痛みに暴れるけれど、ジャーファルさんの力には敵わない。
すると、彼の左手の人差し指が口の中に入ってきた。