第6章 【かけられた呪い】
───シンドリアの狂犬
「また…、契約したらいいじゃないですか」
「………」
「それとアンタ。シェリルは私のモノです、薄汚い手でベタベタ触れないで下さい」
アイルは私から離れ、彼へと近づいた。
ジャーファルの言葉が逆鱗に触れたらしく、周りの木々が荒々しい風を受けている。
「これから転生って時に…あなた邪魔だわ」
「…………」
アイルが呪術で至近距離まで行くと、彼は私のブレスを使って何処かに飛んだ。
本来ならばルルーシュは、ダンジョン攻略者以外の人間に力を貸すことがない。
だが、彼女と私は此処にたどり着く前、約束を結んでいた。
『私はジャーファルの従者。だから、彼はあなたの主でもある』
『…あなたが死んだら、次はその者に従えと?』
『そう。…私が捕まった場合も、同様にね。彼が力を使った分は、私が代償を後で支払うから』
(我が主、ジャーファルに力を与えよ。汝との約束を今果たす)
瞳を閉じ、意識を底に落とした。