第5章 師との決別…、新たな契約を。
「シン王、失礼します」
「おぉ、シェリルじゃないか! どうしたんだ?」
ジャーファルさんが熱のため休ませてあげて欲しいと伝えると、彼の視線が腕にいった。
ジャーファルさんとの契約痕だ。
シン王は笑い、私の肩を叩く。
「あいつは苦労するぞ!」
「……ぁ、大丈夫です」
「…先に言っておくが、あいつはよく人が変わるから気を付けろ」
「は、はぁ…」
シン王に彼を休ませる許しを得て、ジャーファルさんがいる部屋に戻る。
ベッドに目を向けた瞬間、後ろからジャーファルさんに弱々しく抱きしめられた。
「いつからそこにいたんですかっ!?」
「シェリルが…部屋を出ていってからです…」
「ダメですって、寝てないと!!」
指をならして影を出そうとした時、彼の体が私に寄りかかってきた。
そのまま2人とも倒れる。
「……ぅ…」
「シェリル…、大好きです」
(はいはい…)
頬にキスを再びされ、くたくたになった彼を影でベッドに運ぶ。
「良い夢を、ジャーファル…さん」
ルフたちが可憐に飛び交っていた中、手を握って眠った。